「年のせい」と諦めていた膝の痛み、その原因は他にありました。

2025/09/04
症状コラム

1. はじめに〜「年のせいだから仕方ない」は本当?

「もう年だから、膝が痛くて当たり前」 「軟骨がすり減っているから仕方がない」

このような言葉を、病院で言われたり、ご自身で思い込んだりしていませんか?

大阪や西宮で務めたのち、奈良そして神戸市須磨区で鍼灸整骨院を開業し臨床に向き合って、約40年間となる私は、これまで数多くの膝の痛みに悩む患者さんと向き合ってまいりました。その経験から断言できることがあります。

膝の痛みの多くは、「年のせい」ではありません。

確かに年齢とともに身体に変化は起こります。しかし、同じ年齢でも膝の痛みに悩む方と、元気に歩き回っている方がいらっしゃるのはなぜでしょうか?

私の臨床経験では、膝の痛みの真の原因は、膝そのものよりも、むしろ他の部分にあることがほとんどです。今日はその真実についてお話しいたします。

2. 膝の痛みの本当の原因〜身体は一つのつながり

私は東洋医学の考え方、特に「統一体観」を大切にしています。これは、身体を一つの統合された存在として捉える考え方です。

西洋医学では、膝が痛ければ膝だけを診察し、レントゲンを撮って膝関節の状態を調べることが一般的です。しかし、東洋医学的な視点から見ると、膝の痛みは身体全体のバランスが崩れた結果として現れている症状に過ぎません。

例えば、歩行時に膝に負担がかかるのは、膝だけの問題ではありません。足首の動きが制限されていれば、その分膝が代償しようとします。股関節の可動域が狭くなっていれば、膝関節により多くの負荷がかかります。骨盤が歪んでいれば、脚全体のアライメントが崩れ、膝への負担は倍増します。

身体は見事に連動しています。一箇所のバランスが崩れると、他の部分がそれを補おうとして、結果的に思わぬところに症状が現れるのです。

3. 意外な犯人たち〜膝痛を引き起こす隠れた要因

40年の臨床経験の中で、膝の痛みの原因として特に多く見られるのは以下の部分です。

骨盤の歪み

骨盤は身体の土台です。この土台が歪むと、その上に建つ脊柱、そして脚全体のバランスが崩れます。骨盤が前傾しすぎると膝が伸びきらず常に曲がった状態になり、後傾しすぎると膝に過度な負荷がかかります。

脊柱・後頭骨の歪み

意外に思われるかもしれませんが、首や背骨の歪みも膝痛の原因となります。脊柱は神経の通り道です。腰椎や胸椎の歪みにより神経の伝達が障害されると、脚の筋肉が正常に働かなくなり、結果的に膝関節に負担をかけます。

足首・股関節の可動域制限

足首の動きが硬くなると、歩行時の衝撃吸収能力が低下し、その分を膝が担うことになります。また、股関節の動きが制限されると、膝関節が過度に動くことで代償しようとし、これも膝痛の原因となります。

内臓機能の低下

東洋医学では、内臓の機能低下も膝痛に関係があると考えられています。特に胃や腎機能の低下は、膝や腰の痛みと深い関係があるとされています。

4. 実際の症例から学ぶ〜こんなケースがありました

腰痛治療で膝痛が改善した60代女性のケース

Aさん(64歳女性)は、右膝の痛みで階段の昇り降りが困難になり来院されました。整形外科では「変形性膝関節症」と診断され、ヒアルロン酸注射を続けていましたが改善しませんでした。

詳しく身体を診させていただくと、腰椎の歪みと骨盤の後傾が著明でした。モルフォセラピーで骨盤と腰椎の歪みを整えたところ、3回目の施術後から膝の痛みが軽減し、1ヶ月後には階段も楽に昇降できるようになりました。

首の調整で膝の痛みが消えた70代男性のケース

Bさん(72歳男性)は、両膝の痛みで長時間歩くことができませんでした。よく観察すると、長年のデスクワークによる首の前方突出姿勢が固定化しており、これが全身のバランスを崩していました。

PNF筋整復法で頚椎周辺の筋肉の協調性を改善し、モーションロックフラクタルで首から腰にかけての動きを正常化したところ、膝の痛みは完全に消失しました。

内臓調整で膝が軽くなった症例

Cさん(68歳女性)は、左膝の重だるさと軽い痛みを訴えて来院されました。触診で腹部の緊張が強く、特に左側の内臓下垂が認められました。

モルフォセラピーで内臓の位置を整え、全身の循環を改善したところ、膝の症状も同時に改善しました。身体の内側からのアプローチが功を奏した症例です。

5. 当院の整体アプローチ〜痛くない施術で根本改善

当院では、膝痛に対して以下の3つの手技を組み合わせて根本的な改善を目指します。

モーションロックフラクタル

身体の2箇所に同時に圧力をかけ、一方で止め、もう一方で動かそうとすることで、身体の異常部分を特定し、改善していく方法です。膝の痛みの場合、膝関節だけでなく、連動する肩甲骨、骨盤、股関節、足首などの動きも同時に改善していきます。

この方法の最大の特徴は、施術中に痛みを感じることがほとんどなく、誤って症状を悪化させるリスクも極めて少ないことです。

モルフォセラピー

膝痛の多くは、脊柱、後頭骨、骨盤の歪みが原因です。これらの「フォルム(形)」をソフトな圧で矯正することで、神経の伝達障害や血流・リンパの流れの圧迫を解放し、症状の改善を図ります。

骨だけでなく、それと密接に関係する筋肉、筋膜、靭帯なども同時に調整するため、より根本的で持続的な改善が期待できます。

PNF筋整復法

神経の情報伝達力を正常化し、筋肉の機能を回復させる施術法です。複数の関節に同時に圧を加えることで固有受容器を刺激し、脳からのフィードバック機能を活性化させます。

膝痛の場合、膝周辺の筋肉だけでなく、全身の筋肉の協調性を改善することで、膝関節への負担を軽減します。

6. 膝痛改善のための日常生活のポイント

施術と合わせて、日常生活でも以下のことを意識していただくと、より効果的です。

歩き方・座り方の意識

  • 歩行時は踵から着地し、つま先でしっかりと地面を蹴るようにする
  • 長時間の座位では、定期的に立ち上がり、軽く身体を動かす
  • 椅子に座る際は、膝が股関節より少し高くなるように調整する

簡単にできるセルフケア方法

  • 太ももの前後の筋肉を軽くストレッチする
  • 足首をゆっくりと回す運動を行う
  • 膝の周りを温める(特に冬場や冷房の効いた室内で)

未病を防ぐ生活習慣

  • 適度な運動を継続する(ウォーキング、水中歩行など)
  • 体重管理に気をつける
  • 十分な睡眠と規則正しい生活リズムを保つ
  • ストレスを溜め込まない工夫をする

7. このような方は一度ご相談ください

以下のような状況でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

病院で「年齢的なもの」と言われた方

年齢だけが原因ではない可能性があります。身体全体のバランスを整えることで、症状が改善する場合が多くあります。

マッサージや電気治療で改善しない方

局所的なアプローチでは改善しない膝痛も、根本原因にアプローチすることで変化が期待できます。

手術を勧められているが迷っている方

手術は最後の選択肢です。その前に、身体本来の機能を回復させるアプローチを試してみませんか。

こんな症状でお困りの方も

  • 立ち上がる時に膝が痛む
  • 階段の昇降がつらい
  • 長時間歩くと膝が重くなる
  • 夜中に膝が痛んで目が覚める
  • 膝に水が溜まりやすい

8. まとめ〜諦める前に、身体全体を見直してみませんか

膝の痛みは、単に膝だけの問題ではありません。身体からの大切なメッセージとして捉え、全身のバランスを見直すきっかけにしていただければと思います。

40年の臨床経験の中で、私は一つの確信を持っています。それは、身体には本来、自然治癒力という素晴らしい力が備わっているということです。適切なアプローチにより、その力を引き出すことができれば、「年のせい」と諦めていた症状も改善する可能性が十分にあります。

当院では、痛みのない優しい整体で、あなたの身体の声に耳を傾け、根本的な改善を目指します。モーションロックフラクタル、モルフォセラピー、PNF筋整復法という3つのアプローチを組み合わせ、一人ひとりの身体に最適な施術を提供いたします。

膝の痛みでお悩みの方、他院で改善しなかった方、手術を迷われている方、そして「年のせい」と諦めかけている方も、一度私にお身体を診させてください。きっと新しい可能性を見つけることができると信じています。

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