膝痛を予防・改善するためのセルフケア

2025/09/21
健康・セルフケア

膝痛を予防・改善するためのセルフケア

~身体の声を聞きながら、根本から整える方法~

こんにちは、あおやま整骨院あんど鍼灸院の青山です。

神戸市須磨区で整骨院を開業して40年が経ちました。この間、多くの膝痛に悩む患者さんと向き合ってきました。50代から80代の方々が「階段を降りるのが怖い」「正座ができなくなった」「歩くのが辛い」といった症状でご来院されます。

今日は、そんな膝痛を予防し、改善するためのセルフケアについて、私の治療経験と東洋医学の統一体観の視点からお話しします。

なぜ膝が痛くなるのか?身体を一つの統合体として捉える

40年の臨床経験で学んだことは、膝痛の多くは膝だけの問題ではないということです。

東洋医学の統一体観では、身体は一つの統合された存在として捉えます。膝痛も同様で、以下のような全身のつながりの中で起こることが多いのです:

膝痛を引き起こす身体のつながり

  • 骨盤の歪みが股関節に影響し、膝への負担を増加
  • 足首の硬さが膝の動きを制限
  • 脊柱の歪みが神経伝達を阻害し、膝周りの筋肉バランスを崩す
  • 内臓の不調が全身の循環を悪化させ、膝周りの回復力を低下

私が院で行うモルフォセラピーでも、膝だけでなく、骨盤から脊柱、そして膝に関連する全ての「フォルム(形)」を整えることで根本的な改善を目指しています。

膝痛予防・改善のための統合的セルフケア

1. 膝周りの循環を改善する優しいケア

温めるケア

  • 膝を冷やさないよう、ひざ掛けを活用
  • 入浴時は膝までしっかり温め、血液・リンパの循環を促進

優しいマッサージ 膝のお皿(膝蓋骨)の周りを、指の腹で円を描くように優しくマッサージしてください。強い力は必要ありません。身体の声を聞きながら、心地よいと感じる程度の圧で行いましょう。


2. 膝を支える筋肉を整える運動

太もも前側(大腿四頭筋)の強化


椅子に座った状態で骨盤を起こして:

1. 片足をゆっくり伸ばす

2. 5秒間キープ

3. ゆっくり下ろす

4. 左右各10回

太もも後ろ側とお尻の筋肉強化



仰向けに寝て:

1. 膝を曲げて足を床につける

2. お尻をゆっくり持ち上げる

3. 5秒間キープ

4. ゆっくり下ろす

5. 10回繰り返す


3. 全身のバランスを整える

骨盤の歪みを整える簡単な運動


四つん這いの姿勢で:

1. 背中を丸める(猫のポーズ)

2. 背中を反らす(牛のポーズ)

3. ゆっくり10回繰り返す

この運動は、私が院で行うモルフォセラピーの考え方を応用したもので、骨盤から脊柱までの連動性を改善し、膝への負担を軽減します。


足首の可動性改善


椅子に座って片足をもう一方の足に乗せ:

1. 足首をゆっくり回す(外まわしで各20回)

2. つま先を上げ下げする(20回)

3. 足指でタオルを掴む運動(10回)


日常生活での注意点

歩き方を見直す

  • 小股で歩かず、自然な歩幅で
  • かかとから着地し、つま先で蹴り出す
  • 上半身をまっすぐ保つ

座り方の工夫

  • 長時間の正座は避ける
  • 椅子に座る時は膝が90度になる高さに調整
  • 時々立ち上がって軽く歩く

靴選びの重要性

  • クッション性のある靴を選ぶ
  • ヒールは3cm以下に
  • 足にフィットするサイズを選ぶ


「身体の声を聞く」セルフケアのコツ

40年の経験で培った「身体の声を聞く施術」の考え方は、セルフケアでも応用できます。


痛みのサインを大切に

  • 痛みを我慢して無理をしない
  • 違和感を感じたら休憩する
  • 調子の良い日と悪い日の身体の状態を観察する

心地よさを基準に

  • ストレッチや運動は「痛気持ちいい」程度で
  • 無理をせず、継続できる範囲で行う
  • 身体が喜んでいると感じる動きを大切に


まとめ:継続的なケアで健やかな膝を保つ

膝痛の改善には時間がかかることもあります。私自身、40年間で「これで決まり」と思った治療法が、次の患者さんには通用しないことを何度も経験してきました。

大切なのは、身体全体のバランスを整えながら、継続的にケアを行うことです。今回ご紹介したセルフケアを、無理のない範囲で続けてみてください。

ただし、強い痛みが続く場合や、セルフケアでは改善が見られない場合は、専門家にご相談ください。当院では、モーションロックフラクタル、モルフォセラピー、PNF筋整復法を組み合わせ、お一人お一人の身体の声を聞きながら、根本的な改善を目指しています。

膝痛でお悩みの方、また「なんとなく不調」を感じている方も、お気軽にご相談ください。一緒に健やかな身体づくりを目指しましょう。

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