膝痛を予防・改善するためのセルフケア
~身体の声を聞きながら、根本から整える方法~
こんにちは、あおやま整骨院あんど鍼灸院の青山です。
神戸市須磨区で整骨院を開業して40年が経ちました。この間、多くの膝痛に悩む患者さんと向き合ってきました。50代から80代の方々が「階段を降りるのが怖い」「正座ができなくなった」「歩くのが辛い」といった症状でご来院されます。
今日は、そんな膝痛を予防し、改善するためのセルフケアについて、私の治療経験と東洋医学の統一体観の視点からお話しします。
なぜ膝が痛くなるのか?身体を一つの統合体として捉える
40年の臨床経験で学んだことは、膝痛の多くは膝だけの問題ではないということです。
東洋医学の統一体観では、身体は一つの統合された存在として捉えます。膝痛も同様で、以下のような全身のつながりの中で起こることが多いのです:
膝痛を引き起こす身体のつながり
- 骨盤の歪みが股関節に影響し、膝への負担を増加
- 足首の硬さが膝の動きを制限
- 脊柱の歪みが神経伝達を阻害し、膝周りの筋肉バランスを崩す
- 内臓の不調が全身の循環を悪化させ、膝周りの回復力を低下
私が院で行うモルフォセラピーでも、膝だけでなく、骨盤から脊柱、そして膝に関連する全ての「フォルム(形)」を整えることで根本的な改善を目指しています。
膝痛予防・改善のための統合的セルフケア
1. 膝周りの循環を改善する優しいケア
温めるケア
- 膝を冷やさないよう、ひざ掛けを活用
- 入浴時は膝までしっかり温め、血液・リンパの循環を促進
優しいマッサージ 膝のお皿(膝蓋骨)の周りを、指の腹で円を描くように優しくマッサージしてください。強い力は必要ありません。身体の声を聞きながら、心地よいと感じる程度の圧で行いましょう。
2. 膝を支える筋肉を整える運動
太もも前側(大腿四頭筋)の強化
椅子に座った状態で骨盤を起こして:
1. 片足をゆっくり伸ばす
2. 5秒間キープ
3. ゆっくり下ろす
4. 左右各10回
太もも後ろ側とお尻の筋肉強化
仰向けに寝て:
1. 膝を曲げて足を床につける
2. お尻をゆっくり持ち上げる
3. 5秒間キープ
4. ゆっくり下ろす
5. 10回繰り返す
3. 全身のバランスを整える
骨盤の歪みを整える簡単な運動
四つん這いの姿勢で:
1. 背中を丸める(猫のポーズ)
2. 背中を反らす(牛のポーズ)
3. ゆっくり10回繰り返す
この運動は、私が院で行うモルフォセラピーの考え方を応用したもので、骨盤から脊柱までの連動性を改善し、膝への負担を軽減します。
足首の可動性改善
椅子に座って片足をもう一方の足に乗せ:
1. 足首をゆっくり回す(外まわしで各20回)
2. つま先を上げ下げする(20回)
3. 足指でタオルを掴む運動(10回)
日常生活での注意点
歩き方を見直す
- 小股で歩かず、自然な歩幅で
- かかとから着地し、つま先で蹴り出す
- 上半身をまっすぐ保つ
座り方の工夫
- 長時間の正座は避ける
- 椅子に座る時は膝が90度になる高さに調整
- 時々立ち上がって軽く歩く
靴選びの重要性
- クッション性のある靴を選ぶ
- ヒールは3cm以下に
- 足にフィットするサイズを選ぶ
「身体の声を聞く」セルフケアのコツ
40年の経験で培った「身体の声を聞く施術」の考え方は、セルフケアでも応用できます。
痛みのサインを大切に
- 痛みを我慢して無理をしない
- 違和感を感じたら休憩する
- 調子の良い日と悪い日の身体の状態を観察する
心地よさを基準に
- ストレッチや運動は「痛気持ちいい」程度で
- 無理をせず、継続できる範囲で行う
- 身体が喜んでいると感じる動きを大切に
まとめ:継続的なケアで健やかな膝を保つ
膝痛の改善には時間がかかることもあります。私自身、40年間で「これで決まり」と思った治療法が、次の患者さんには通用しないことを何度も経験してきました。
大切なのは、身体全体のバランスを整えながら、継続的にケアを行うことです。今回ご紹介したセルフケアを、無理のない範囲で続けてみてください。
ただし、強い痛みが続く場合や、セルフケアでは改善が見られない場合は、専門家にご相談ください。当院では、モーションロックフラクタル、モルフォセラピー、PNF筋整復法を組み合わせ、お一人お一人の身体の声を聞きながら、根本的な改善を目指しています。
膝痛でお悩みの方、また「なんとなく不調」を感じている方も、お気軽にご相談ください。一緒に健やかな身体づくりを目指しましょう。