68歳の整骨院院長の日常
~患者さんの気持ちが分かる今だからこそ見えてきたもの~
こんにちは、あおやま整骨院あんど鍼灸院の青山です。
開業から40年、気がつけば68歳になりました。正直に申し上げると、自分では「まだまだ若い頃と変わらない」と思っていたのですが、最近になって「あれ?」と感じることが増えてきました。
今日は、そんな私の日常と、それが治療にどう活かされているかをお話しさせていただきます。
「あれ?これが患者さんの言っていた感覚か」
朝起きた時の「あの感覚」
以前は布団から起き上がるのに何も考えたことはありませんでした。ところが最近、朝起きる時に「よっこらしょ」という言葉が自然に出てくるようになりました。
患者さんが「朝、起きるのが辛くて」とおっしゃっていた時、頭では理解していたつもりでした。でも実際に自分が体験してみると、あの重だるさ、関節のこわばり感は、想像していたものとは全く違いました。
これを機に始めた朝のルーティン
- 布団の中で軽く膝を曲げ伸ばし(10回)
- 同様に、足首をくるくる外回してから立ち上がる
- ゆっくりと上体を、起こしやすい方向を探しながら起こす
この小さな工夫で、朝の不快感がかなり軽減されることを発見しました。今では患者さんにも「朝の3分間ケア」としてお教えしています。
階段での「ハッ」とする瞬間
ある日、いつものように階段を降りていると、膝に「ズキッ」とした感覚が。幸い大したことはありませんでしたが、その瞬間、患者さんが「階段が怖くて」とおっしゃっていた気持ちが、まさに身をもって理解できました。
発見したこと
- 手すりの大切さ(今まで使っていませんでした)
- 一段一段、意識して降りることの重要性
- 爪先は自然な向きで
- 膝に負担をかけない歩き方
これらの体験を通じて、患者さんへの階段昇降のアドバイスがより具体的で実用的になりました。
疲労感との新しい付き合い方
夕方の「なんとなくだるい」感覚
40年間、患者さんから「なんとなく疲れて」「だるくて」というお話を聞いてきました。でも正直なところ、その「なんとなく」が今ひとつピンと来ていませんでした。
最近、午後の診療が終わる頃に感じる疲労感で、ようやくその感覚が分かりました。「痛い」わけでも「動けない」わけでもない、でも何となく重い、あの感覚です。
自分で試している対処法
- 3分の横になる時間を1日何度も作る
- 温かいお茶をゆっくり飲む
- 首と肩を優しくセルフマッサージ
- 深呼吸を10回
これらの小さなケアで、夕方の疲労感が驚くほど軽減されることを実感しています。
「実験台」としての自分
新しい治療法の効果を自分で確認
最近は、セミナーで学んだ新しい手技や、本で読んだセルフケア方法を、まず自分で試すようになりました。
例えば、肩こりに効果があるとされるツボ押しを、自分の肩こりで実験。「なるほど、この角度で押すと確かに気持ちいい」「この強さだと痛すぎる」といった細かい感覚を体験できます。
患者さんへの説明が変わった
- 「この程度の力で」→「心地よいと感じる強さで」
- 「1日3回」→「気が向いた時に、無理のない範囲で」
- 「効果があります」→「私も実際に試して、こんな風に感じました」
患者さんとの距離が縮まった
「先生も同じなんですね」という共感
患者さんに「最近、私も朝起きるのが少し辛くて」とお話しすると、「先生もそうなんですね!」と親近感を持っていただけるようになりました。
以前は「先生は元気だから分からない」と言われることもありましたが、今は「同じ悩みを持つ仲間」として接していただけている気がします。
より現実的なアドバイスができるように
理論的には知っていても、実際に体験しないと分からないことがたくさんありました。
例えば
- 「膝が痛い時の正座」→実際にやってみると、想像以上に困難
- 「肩が上がらない時の着替え」→こんなに大変だったとは
- 「腰痛の時の寝返り」→小さな工夫で大きく変わることを実感
これらの体験により、患者さんに「それなら、こういう工夫はいかがですか?」と、より具体的で実用的な提案ができるようになりました。
68歳だからこその発見
「加齢」は「劣化」ではない
最初は「衰えた」と感じていましたが、今は「新しい段階に入った」と捉えるようになりました。
確かに若い頃のような体力はありませんが、その分、身体の声により敏感に耳を傾けることができるようになりました。患者さんの症状への理解度も格段に深まったと感じています。
「予防」の大切さを身をもって実感
今まで患者さんに「予防が大事」とお伝えしてきましたが、自分が実際に小さな不調を感じるようになって、その重要性を心から理解できるようになりました。
毎日実践している予防ケア
- 朝の軽いストレッチ
- 仕事の合間の首肩回し
- 夜のセルフマッサージ
- 温めのケア
これらすべてが、患者さんへの貴重なアドバイスの源になっています。
最後に
68歳になって感じる身体の変化は、決してネガティブなものではありません。むしろ、40年間お世話になった患者さんたちの気持ちを、ようやく本当の意味で理解できるようになった「ギフト」だと思っています。
これからも、自分の身体を実験台にしながら、より患者さんに寄り添える治療を心がけていきます。同世代の皆さん、一緒に「年を重ねることの豊かさ」を感じながら、健やかに過ごしていきましょう。
何か身体のことでお悩みがあれば、「同じ仲間」として、いつでもご相談にいらしてください。
あおやま整骨院あんど鍼灸院
神戸市須磨区
68歳の院長が、身をもって体験した健康の知恵をお伝えします。